恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「先ほどの会議の件ですが、リモート参加で問題なさそうです」
「そうか。悪いな、ありがとう」
「明日の天気は良好そうですね」
今の通話内容を聞いて察したのだろう。
「ああ、それが一番スケジュールに無駄が出ないだろうからな」
「そうですね。なにか、お手伝いできることがあればお申し付けください」
気遣いに「ありがとう」と応えながら、ふと雪島の意見を聞いてみたくなる。
一礼をして立ち去ろうとしたところを、「雪島」と呼び止めた。
「相手のご両親に結婚の許しをもらうのは、やはり難しいことだよな?」
突然の質問に驚いたのか、雪島は珍しく言葉に詰まる。
「そう、ですね……」と、考えるように目を上向かせた。
「やはり、大事に育ててきた娘が嫁いでいくのですから、涙のひとつくらい流すかもしれませんね。相手の男がダメな男なら、反対してしまうかもしれません」