恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました

「買いかぶりすぎだ。そんなことわからないだろう」

「いえ、私が自信を持って断言します。経営者としても申し分なく、同性の私から見ても男気があって憧れる。その上、どこに出向いても周囲の視線を集めるその姿は、秘書として鼻が高いです」


　言いたいことを詰め込みすぎて早口のようにしゃべった雪島は、ハッとしたように「大変失礼いたしました」と、頭を下げる。

　あまり見ることのないその様子がおもしろく、ふっと笑いが漏れた。


「そんなふう に評価してもらえているのはうれしいよ。ありがとう」

「いえ！　とんでもございません」

「はじめてのことだから、やっぱり落ち着かないし、緊張する」


　素直に今の心境を口にしてみると、雪島はどこか驚いたように目を丸くする。


「社長のような方でも、そんなことが」

「俺をなんだと思ってるんだ。それなりに緊張だってする」

「さようでございますか」