恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 これまで見合いの席に連れていかれ、相手の両親を前にしても、なにも感情は動かなかった。それは単に、自分にとってどうでもいいことだったから。

 どう思われようとどうなろうと、別によかったからだ。

 だけど今は違う。里穂子のご両親に認めてもらえるのか、期待と不安が入り混じって気持ちが落ち着かない。


「きっと大丈夫です。普段の社長でいれば、そして誠意を見せればお許しはいただけます」


 雪島の言葉が、不思議なくらいすっと胸を軽くしていく。

 長年そばでサポートしてくれている雪島は、俺にとって秘書以上の存在だと勝手に思っている。

 仕事のパートナーとしては絶対不可欠であり、時にはこうしてプライベートな相談もさせてもらっている貴重な存在だ。

 敬いながらも、的確な意見とアドバイスをくれる。それは、雪島が人として優れているからだと思っている。

< 137 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop