恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「あ、あの」
どうしたらいいのかわからず声をあげたものの、彰人さんは私を抱きしめたまま再び頭を優しく撫ではじめた。
触れ合って感じる温かな体温と、想像していたよりもがっちりとしている筋肉質な体つき。
意識してしまうと、心臓の暴走は止まらなくなってきて、どうしたらいいのかわからずギュッと目を閉じてやり過ごそうとする。
「すみません、ありがとうございます」
みていた夢はひどかったけれど、それよりも現実に起こっていることの方が刺激が強すぎてうやむやになってしまいそう。
こんなタイミングで昨日の突然のキスを思い出してしまい、追い打ちをかけるように胸の高鳴りが増す。
昨日はマンションに送り届けてもらってからずっと、口づけのことを思い出してはひとり落ち着かない気持ちになっていた。
こうして抱きしめられたり、昨日のようにキスをされたりすることは、これから夫婦になる私たちにとっては普通のことなのかもしれない。
だけど、まだまだ気持ちのほうが追い付いていかない。