恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「行こう」
「あ、は、はい」
待合ロビーを抜け、建物の外に出ていく。そこに待機していたのは白いワンボックスカー。
そばにはパンツスーツ姿の女性スタッフが待機していて、やってきた彰人さんと私の姿を見て後部座席を開ける。どうやら空港内走行専用のワンボックスカーのようだ。
彰人さんは足を止め、一歩うしろを歩いていた私の背を抱くようにして車へと近付いた。
私から先に乗車させ、彰人さんもとなりに乗り込む。
車はすぐに発進し、空港内を走りはじめた。
「彰人さん……これは、あの、まさかとは思いますが」
「まさか? もしかして、空の旅は苦手だったか」
「いえ! それは問題ないのですが……その、これって……プライベート、ジェットとかってものでは……?」
「ああ、そんなところだ」
そんな話をしているうち、車は駐機場へと到着する。
そこには、やはりホワイトのボディにブラックとゴールドのラインが入った磨かれたジェット機が停まっていた。
ワンボックスカーが停車し、ドアが開く。
降り立った先で改めて待機しているジェット機を目の前に、圧倒されて呆然としてしまった。