恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました

「っ!?」


　後方から突然腕を掴まれ静止させられる。

　驚いてバッと振り返った先に見えた光景に、それよりさらに上をいく驚愕に襲われた。

　私の腕を取っていたのは、今エレベーターに乗り合わせていた筧さん。

　なぜ彼に腕を掴まれているのかわけがわからない。

　すぐに目が合って、なぜだか胸を撃ち抜かれるような衝撃を覚える。

　改めて正面から顔を合わせて、その端整な顔立ちに目を奪われた。

　切れ長の目はよく見ると奥二重で、やっぱり真正面から見ても鼻筋が通っている。

　艶のあるミディアムショートの黒髪はきっちりとセットされ、センターで分けた前髪がかすかに揺れる。

　こんなふうに整った顔面の人間をリアルの世界で目の前にしたことのなかった私は、急激に緊張が押し寄せてきて慌てて目を逸らす。

　彼の鋭くも強く美しさを持った目に、魔法にかけられたように動けなくなった。

　それでもなにか言おうと口を開く。しかし……。