恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「私は……彰人さんにしか、触れてほしくないです」


 考える間もなくそう言葉が出ていて、自分でもハッと驚いた。


「里穂子……そんなこと言われたら、止められなくなるだろ」


 スーツのジャケットを脱ぎ捨て、ネク タイを鷲掴みにして解く姿に鼓動は暴走していく。

 彼の一挙一動にこんなに胸を高鳴らせて、触れられることにも喜びを感じてしまっている。

 彰人さんと私の関係は、あくまで偽装のもの。それなのに、気持ちが大きく揺れ動いてしまっていることにこんな時に気づ いてしまった。

 感情を入れてはいけない、好きになっては自分が後で傷付く。そうわかっているのに、気持ちは葛藤する私を置いてどんどん先に進んでいってしまう。


 彰人さんが、好き。


 キスの雨が降り注ぐ中、はっきりと心の中でそう呟いていた。

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