恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「あの、出かけるというのは、どのような場所に?」
「食事をして、滞在先で宿泊する」
出かけるにあたってはどのような服装がいいかわからず、行き先を伺う。食事をして泊まるということは、ホテルの可能性が高い。
「ドレスコードか?」
「あ……さすが、お見通しですね」
私の考えていたことをすぐに察したらしい彰人さんは、「おいで」と私を連れて私のクローゼットへと向かう。
ここに引っ越してきてから、自分の私服を数着買い足したものの、クローゼットの半分を占めるのは彰人さんが用意してくれたドレスたちだ。
普段は出番のないドレスたちは、クローゼットの中で静かにそのときを待っている。
「そうだな……それとかどうだ。以前、試着したときにこれもいいなと思ったんだ」
彰人さんが手にしたのは、ブラックのイヴニングドレス。
肩を出す大胆なワンショルダーデザインで、足首までAラインで落ちるシックなワンピースタイプ。
ドレス表面はチュールが重なり、グリッターが施されていて華やかさも忘れないデザインだ。
「素敵でしたよね、このドレスも」
「ああ、今日は着てくれるか?」
「はい。では、用意してき ますね。ほかの支度も少しかかるので、三十分ほど時間をください」
支度する時間を少しもらい、早速クローゼットからお目当てのドレスを手に取った。