恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 彰人さんの運転する車でマンションを出たのは十二時過ぎ 。向かった先は、羽田空港。そしてやっぱり、向かった先はプライベートジェット専用のゲート。

 二度目だけど、初回とたいして変わらない緊張状態で搭乗する。

 今日はこの間座った席ではなく、奥のソファー席に案内される。


「フライト時間がこの間より長いんだ」

「そうなんですか?」


 ソファーに腰かけながら彰人さんが言う。

 出がけに、パスポートを持って出るように言われた。国外のようだけど、目的地は聞いていない。

 海外に行くなんて私の中ではかなり大きな出来事だけど、プライベートジェットを所有している彰人さんにとっては、日常的なことなのかもしれない。


「だから、映画でも観て、なんなら昼寝でもすればいい」

「あ、はい。あの、今からの目的地でも、この前のパーティーのように妻として振る舞うのでしょうか……?」

「ああ、そんなところだ」


 行き先の詳細はまだ告げられていないけれど、この間の和歌山へのフライトよりもっと遠くへ向かうことは間違いないようだ。

 映画を観て、昼寝までする時間があるなんて、どの辺りまで向かうのだろうか?

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