恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
そんな疑問を抱いているうち、ジェット機は羽田空港の滑走路から飛び立った。
長時間の移動だと聞いて、ドレスは到着してから着替えることにした。機内では観たかった映画をのんびり鑑賞することに。
映画を観ている時間、となりに座る彰人さんは私の手を握ったり、肩を貸してくれたり、頭を撫でてくれたり。そばで触れ合っているのが温かくて、時折うとうととしはじめてしまう始末。
こんなふうに愛しい相手のように扱われると、高鳴る鼓動は一向に落ち着かない。
だけど、それは私だけの一方的な感情。いくら気持ちを募らせても、彰人さんに好きになってもらえることはない。
切ない気持ちを噛みしめているうち、いつの間にか自分でも気づかぬうちに夢の世界へと旅立っていた。
次に意識が戻ってきたのは、頬をつんつんと突かれるのを感じて。眠っていたことにも気づいていなかった私は、「あれ?」と寝ぼけた状態で彰人さんと顔を合わせた。