恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「里穂子じゃなきゃダメなんだ」


 言葉じゃもう難しくて、返事は回した腕で彰人さんを抱きしめ返して伝える。

 泣いてしまった私を、彰人さんはその場で抱き上げる。

 足早にレストランを出て、そのまま向かったのはすぐ下の階に取っていたホテルのスイートルーム。

 普通だったらこんなふうに人目がある中で運ばれていたら、恥ずかしくて抗議のひと言も口にしている。

 だけど、今はそんな余裕すらなく、ただしっかり彰人さんの首に両手を回してしがみついているだけだ。

 部屋に入っていっても、彰人さんに足を止める気配はない。

 そのままベッドルームまで向かっていき、クイーンサイズのベッドになだれ込むようにして横になった。


「里穂子」


 私を呼んだ唇がキスを落とす。唇が塞がれるとすぐに舌を触れ合わせ、情熱的に互いを求めあった。


「彰人さん」


 ワンショルダードレスの空いたほうの肩へ、彰人さんが口づける。音を立ててキスを落とされ、無意識に甘い吐息が漏れていく。

 首筋や鎖骨を唇でなぞられながら、脇腹にあるファスナーが下ろされていった。

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