恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「里穂子」


 ゆっくりと私の中に入ってきながら、意識を遠ざけるように耳元で名前を囁く。

 はじめてのことで、まったく怖くないとは正直言い切れない。

 だけど、体が彰人さんの熱を受け入れるために、少しずつ柔軟に道を広げているのを感じる。

 ぴったりと体が密着すると、彰人さんは私へ口づけを落とした。


「ほら、大丈夫だった」


 ホッとする優しい声が聞こえる。


「よかった……」


 逞しい背中に両手を伸ばすと、彰人さんの背中はかすかに汗ばんでひんやりと冷たくなっていた。私を気遣って慎重に進めてくれたからかもしれない。

 そんな彼の気持ちがうれしくて、愛おしくて、温めるように手のひらで背中を撫でる。


「彰人さん……大好きです」


 自然と口から出た言葉に、彰人さんが柔和で幸せそうな笑みを見せてくれた。

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