恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 シンガポールに連れていってもらった夜から、私たちは本物の夫婦としての時間を過ごしている。

 彰人さんの告白を受け、自分の気持ちをごまかさなくてもよくなると、知らぬ間に募らせていた想いが溢れるようだった。

 自分自身で無意識のうちに封印していた気持ちは、知らぬ間に大きく膨れ上がっていたのだと知った。

 彰人さんが出張中、私はひとりこのマンションで過ごしている。

 でも、ひとりだと食事にそこまで力を入れることもなく、簡単に済ませてしまうし、そこまで張り合いはない。

 時間はたっぷりあるから、家事は隅々まで滞りなく行えるけれど、それでも時間を持て余してしまうことがしばしば。

 やっぱり、新たに就職して仕事を始めるのもいいかもしれないと思いはじめている今日この頃だ。

 ぼんやりと雨に濡れる世界を眺めていたとき、インターフォンが広いリビングに鳴り響く。

 なにか荷物でも届いて、下のコンシェルジュから連絡が入ることは時々あるから、なんのためらいもなく呼び出しに応じる。

 しかし、それはコンシェルジュではなく、来客からの呼び出し。モニターをオンにしてみて、そこに映し出された姿に目を見張った。

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