恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
改めて対面するのが、こうしてふたりきりのときだとは思いもしなかった。
私が向かいにかけると、お義母様はじっと、私の顔を無表情のまま見つめた。
「あなたのことは調べさせてもらったわ」
衝撃的なひと言目に、反応できないままお義母様の顔をじっと見つめる。
調べた……? それって、興信所かなにかで?
「私立大学を卒業後、松重不動産に入社、勤続五年。ご実家は和歌山のようね」
本当に私の個人情報を入手したらしく、お義母様は表情ひとつ変えず私に問う。
知らぬ間に調べられていたことに驚いて、私はそれに反応できない。
「会社の同僚と同棲していたようだけど、それがなぜ彰人 とこういうことになるのかしらね?」
だんだんと、言葉の端々にとげが出てくる。
私は膝の上で組んだ手をギュッと握り、じっとお義母様を見つめる。
お義母様のほうも目を逸らさず私を見つめ、再び口を開いた。
「単刀直入に言うわ。彰人と別れてちょうだい」