恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
着いたのは、それなりに立派な高層マンション。
周辺には同じようなマンションや雑居ビルなどが立ち並んでいる。
お義母様はそのマンションの中に入っていき、入ってすぐのところにあるエレベーターを呼ぶ。
少人数用のエレベーターにふたりで乗り込むと、お義母様は二階のボタンを押した。
すぐに目的の二階に到着し、『開』のボタンを押してお義母様に先に降りてもらう。
「二〇三、二〇三は……」
ぶつぶつ呟きながら目的の部屋の前に着き、バッグから出したのは封筒らしきもの。
そこから鍵を一本取り出し、ドアに差し込む。
ここは、お義母様の所有されている部屋なの……?
「あの、どういうことでしょうか?」
勇気を持って疑問をぶつけたものの、お義母様から返答はない。仕方なくそのあとに続いて中に入っていく。
部屋は、ファミリータイプと言えるそこそこ広いもので、キッチンもカウンターキッチンでリビングも広い。このほかにも部屋があるようだ。
しかし、家具や荷物などはなにもなく、誰も住んでいる気配のない、がらんとした部屋だ。