恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「ここまでしていただいたのに、申し訳ありませんが、どちらも受け取れません」
そう口にすると、お義母様の顔色が一変、冷たく鋭く変化する。
「受け取れない……? どうして、これでは不満だと言うの?」
「とんでもございません。そういうことではなく、単に、部屋もお金も受け取れないということです」
「それは……彰人と離れないということ?」
そう問われ、ずきっと胸が痛む。
ただ自分の気持ちだけで突き進んでいいとすれば、彰人さんと離れたくない。
せっかく自分の気持ちも認め、彰人さんの気持ちも知ることができた。
ただ、やっぱり私たちには越えられない高く分厚い壁があったことを思い知った。
私はやっぱり、あのときから夢を見続けているのだろう。その夢が、いよいよ醒めようとしている。