恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
3、突然の別れ
会社の入るテナントビルのエントランスをくぐりながら目を落とした時計は、 十三時半を回ったところ。
予想外の展開で戻るのが遅くなってしまい、焦りながらデスクに向かうと、一緒に帰社するはずだった湯島くんはすでにデスクについていた。
「おーい、神田さん。ひとりでどこ行ってたの。大幅に遅れるなら連絡入れてもらわないと困るよ。少しは湯島を見習ってくれ」
「あ、すみません……」
遅れて帰ってきた私に、課長が不思議そうな顔をして声をかけてくる。
ちらりと見た湯島くんは我関せずといった様子。
知らない人からすれば、一緒に営業に出ていたとは思えないだろう。相当私には関わりたくないのだと思う 。
「湯島もお昼取ってないって言ってたけど、神田さんもまだなら休憩してきて」
「あ、はい。ありがとうございます」