恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「お食事中に失礼します。おふたりに話があり、どちらに向かえばお会いできるのか、調べました」

「話……? なんだ、なにかあったのか」


 この様子だと、もしかしたらお義父様はこの一件についてなにも知らないのかもしれない。

 お義母様が私について興信所に調べさせ、マンションと手切れ金を用意したことも。私が実家に帰り、彰人さんが迎えに来てくれたことも。

 お義母様がすべてひとりでしたことではないか。


「今後、里穂子を苦しめるようなことがあれば、私もこれ以上黙っていられません」


 彰人さんからの言葉に、お義父様はわけがわからないといった様子で、「どういうことだ?」と、彰人さんとお義母様を交互に見る。

 やはり予想通り、お義父様はなにも事情を把握していない様子。

 彰人さんとお義母様が睨み合うような状況に、心がそわそわとして落ち着かなくなってくる。

 私の存在のせいで、親子の関係にひびなんて入れたくない。

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