恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
一週間戻らなかったマンションに帰ると、久しぶりだからか広く感じた。
もう、戻ることもないと思っていた。
この高層階からの夜景を見下ろすことも、もうないと思っていたのに……。
ガラス窓に貼りついて外をじっと見ていると、後方から彰人さんが近付いてくる気配を感じる。
振り返ろうとしたところで、背後から抱きしめられた。
「捕まえた」
リラックスした声に、私の心もホッと和む。
合わせて「捕まりました」と返すと、ふたり揃ってくすくすと笑った。
「今日は、申し訳なかった。見苦しいものも見せた。予告なくご実家から連れ戻されて、疲れただろう?」
「いえ、大丈夫です。私のほうこそ、ご心配をおかけして」
連絡もつかず、彰人さんを困らせてしまったのは間違いない。
ちょうど実家に戻った辺りから一切の連絡がつかず、自分がすぐに動けないため様々な方法で私の行方を探 してくれていたらしい。
お義母様に言われるがまま行動していたわけだけど、結果的にはとんでもない迷惑をかけてしまった。