恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
あっ……なんか、なんだろう、この感じ。
歩き出した途端、目の前がぐるぐる回るように見えて足を止める。
軽い目眩のようなものは、最近何度か感じている。
そこまでひどいものではないから、軽い貧血かもしれないと思って様子を見ているけれど、ひどくなるようなら受診する必要もあるかもしれない。
お義母様が訪れているのは、ホテル一階ラウンジ内にあるアフタヌーンティー。
エントランスを入った辺りから、緊張が徐々に高まりはじめる。
あの銀座の料亭で話をした以降、お義母様とは直接お会いしていない。
彰人さんと一緒になったことを認めてくれたと聞いているけれど、今もまだ〝認めざるを得ない〟という状況だったのではないだろうかと私は思っている。
お義母様の本心は、未だ反対なのではないだろうか、と……。
でも、そんなうしろ向きなことばかり考えていてはいけないと、自分で決めたのだ。
簡単に認めてもらえないのは承知の上。
少しずつ、時間がかかっても、誠実にお義母様と向き合っていく。