恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
ぼんやりと見えてきたクリーム色の天井と、蛍光灯の光。
寝ているここが自宅マンションではないことはすぐにわかって、目を開けてキョロキョロと周囲を見回した。
「あ……お義母様……?」
ベッドのそばに設置されたソファーにかけていたのは、思いもよらない人──お義母様。
私が動き出したのに気づいたのか、ソファーを立ち上がっていた。
「彰人に急な呼び出しがあって、私が代わりに」
「そう、でしたか。すみません、ありがとうございます」
確か、ホッとして力が抜けて、震えが止まらなかった記憶がある。
そのうちに意識をなくしたのか、そこからの記憶がぱったりとない。
彰人さんの私を呼ぶ声が遠くなっていったことは覚えている。
「気分は、大丈夫なの」
お母様の口からはじめて私を心配するような言葉を聞いて、思わず目をぱちぱちさせてしまう。
「あ、はい。大丈夫です。あの、お義母様は大丈夫でしたか?」
「え……?」
「どこも、おケガなさいませんでしたか?」
そう訊いた私を、お義母様がじっと見つめる。そして、なぜだかふふっと力が抜けたように笑ってみせた。