恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
ひとりきりになり、腕につながっている点滴のチューブをじっと見つめる。
お義母様に、少しは心を許してもらえたということ……?
かけてもらった言葉を反芻し、うれしさと安堵と、様々な感情が湧きおこる。
「里穂子」
病室のドアが開いた音がしたと同時に、彰人さんが部屋の中に足早に入ってくる。知らせを受ける前に病院に戻ってこられたのだろう。
「彰人さん……?」
「里穂子、大丈夫か」
ベッドサイドまでやってきた彰人さんは、点滴につながれている私の手を取る。
掴んだ手に指を絡めてギュッと握ってくれた。
「震えは止まったか。気分は?」
ホテルで倒れたとき、極限の精神状態だったせいか震えが治まらなかった。
自分でもあんなことははじめての体験で、自身の体が少し怖くもなった。