恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「う、そ……私、妊娠、しているんですか……?」
「ああ。間違いないそうだ」
いつか、もし授けてもらえるのなら、彰人さんとの子が欲しいと思っていた。
そんな淡い願いが、こんな形で発覚して心がついていかない。
「また泣く」
いつの間にか涙をぽろぽろと流しだした私を前に、彰人さんは仕方なさそうに笑う。
「だって……うれしいじゃないですか。これは、うれしい涙だから、いいんですよ」
珍しく言い返した私を、彰人さんがふっと笑ってまた両手を広げる。
私のほうからも手を広げ、力強く抱きしめた。
「里穂子、愛してる」
穏やかで大好きな声が耳元で愛を囁く。
「私も……彰人さんを、愛しています」
まだ始まったばかりのふたりの道が、明るく幸せであるように……愛しい人を両手に抱きしめ、そう切に願っていた。