恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
妊娠が発覚したあの日は、一度にいろいろなことが起こった一日だった。
病院に搬送されることとなったのは、狙われたお義母様を庇い、その後意識を失ってしまったから。あんな出来事がなければ、妊娠しているとわかったのはもっとあとになったのだろう。
あのとき、はじめて私と向き合って話してくださったお義母様。
その日を境に、少しずつではあるけれど私を受け入れてくださっている。
最近は妊娠初期の私の体を気遣い、たびたびこうしてマンションを訪問してくださるようになった。
お義母様も彰人さんと同じで、ここに訪れてもなにもしなくていいからと私を甘やかす。お茶を淹れることなんて大した負担でもないのに、それすらしなくていいと言うのだ。
「最近は悪阻も落ち着いたみたいだし、食事も摂りやすくなったみたいでよかったわ」
「はい。ありがとうございます」
「そうそう、今日は彰人さんも遅いかもしれないと聞いているから、夕方に食事が届くように手配しておいたわ」
「え、またそんなお気遣いを……すみません、ありがとうございます」