恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
お義母様は私の負担を減らそうと、よくこうして食事の手配もしてくれる。
特に安定期に入るまでは、長時間キッチンに立っているのは心配だと言われたのだ。
でも、届くものに毎回驚かされる。
一流レストランのシェフが作る栄養のバランスがしっかり考えられたメニューが届けられるのだ。きっと、間違いなく特注なのだろう。
「里穂子さん、私が気に掛けなかったら食事も毎回しっかり作ってそうだから心配しているのよ。妊娠中はね、とにかく無理は禁物なのよ」
「はい、ありがとうございます。彰人さんにも、よくそう言われています」
そんな話をしていたとき、玄関に帰宅の気配を感じる。
すぐにリビングと扉が開き、スーツ姿の彰人さんが姿を現した。
「おかえりなさい。今日は、遅い予定では……?」
「ただいま。先方の都合で、急なスケジュール変更があったんだ」
そう言ってリビングに入ってきた彰人さんは、お義母様に目を向ける。
「来てたんですね」
「ええ、彰人さんが遅いと耳にしたから、里穂子さんを訪ねてみようと思って。でも、帰宅が早まったならよかったわ」
やって来た彰人さんと入れ替わるように、お義母様が斜め前のソファーから立ち上がる。