恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「じゃ、里穂子さん、また来るわね。無理はしないこと」

「はい、ありがとうございます」


 反射的に腰を上げた私に、お義母様は「見送りはいらないわよ」と言って玄関に向かっていく。彰人さんがお義母様の見送りに出ていってくれた。


「すみません、お見送りありがとうございました」


 再びリビングに顔を出した彰人さんは、ソファーに掛ける私のもとまでやって来ると、となりに腰を落ち着かせた。


「体調は朝と変わらずか」

「はい、大丈夫です」

「そうか」


 横から彰人さんの腕が伸びてくる。身を寄せて抱き寄せられ、腕の中に包まれた。

 ドキドキもするけれど、なによりホッとする。


「母さんとは、問題ないか」

「はい。いつも気遣っていただいて。今日も、夕食の手配をしていただいたそうで」

「そうか」


 彰人さんは私とお義母様の関係を常に心配してくれている。

 始まりが反対されていたから、今もまだなにかないかと気にかけてこんなふうに訊いてくれるのだ。

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