恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「里穂子は、結婚式は挙げたいか」
「え……?」
突然の質問に彰人さんの胸の中から顔を上げる。
彰人さんは私の顔をじっと見つめて微笑を浮かべた。
「そう、ですね……憧れはあります」
いつか自分が結婚する縁があれば、結婚式を挙げたいという憧れはもちろんあった。
ウエディングドレスを着てヴァージンロードを歩くのはやっぱり夢だ。
「そうか。実は今日、ウエディング関係の企業を経営する友人に会ってな。挙式はどうするのかと訊かれたんだ。それで、里穂子はどう考えているのかとちょっと気になったんだ」
「そうだったんですか」
「ああ。うちは家系柄、挙式披露宴は両親から挙げてもらいたいと言われている。でも、一番重要なのは里穂子の希望だ」
彰人さんのような大企業の御曹司で社長なら、結婚式はお披露目も込みで大々的にやるのだろうと想像がつく。
ご両親にとってもそれがあたり前だし、彰人さんにもそうしてほしいのだろう。