恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 その日の晩。

 定時の十八時に仕事を終え、ひとり職場の最寄りの新宿駅から電車に乗り込む。総武線で三駅の中野駅に、今住んでいるマンションがあるのだ。

 駅からゆっくり歩くと十分ほどかかる住まいは、帰るまでの道にスーパーなどもあって生活はしやすい。

 引っ越したばかりの頃は、毎日仕事帰りに買い物をして、帰って夕食を作っていた。

 でも、今は……。


「ただいま……」


 ひとり、明かりの灯らない部屋に帰宅する。

 湯島くんと同棲している部屋は、今は冷えきった、寝るために帰るようなマンションになってしまった。

『いつもそばにいてほしい』と言われ、お付き合いが始まってから早い段階で一緒に住むようになったこの部屋。

 当時、同棲を始めるには時期尚早だと思っていた。でも、湯島くんたっての希望ということ、そしてちょうど自分の住まいが契約更新を目前にしていたということが重なり、同棲することを承諾したのだった。

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