恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 以前は一緒に買い物をして揃って帰宅し、ふたりで夕飯の準備をして夕食をとっていた。そんなときだってたしかに存在していたのだ。

 しかし、いつからか一緒に帰ることも減り、湯島くんは夕飯を済ませて帰宅することが増えていった。最近は帰って来ない日すらある。

 それでも食事は用意しておいたけれど、家で食べないから用意はしなくていいと言われてしまった。

 ふたりで食べるために自炊することは減ってしまったけれど、時間と余裕のあるときはなにか作ってひとり食事を摂 っている。

 作り置きも兼ねて冷蔵庫に残し、湯島くんにもわかるように『よかったら食べてね』とメモを置いておくけれど、これまで減った形跡は一度もない。

 帰宅後ひと段落して冷蔵庫の中身と相談し、今晩はオムライスとオニオンスープを作ることに決める。

 お昼に若菜さんとそんな話もしたし、夕飯を用意して湯島くんの帰宅を待とうと思った。

 切った材料と調味料を入れて炊飯器で炊いたチキンライスができ上がったタイミングで、外から鍵が開き勢いよく玄関のドアが開いた。

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