恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 仕事は、はじめて欠勤してしまった。

 体調不良だと連絡をすると、それを知った若菜さんから【具合悪いなんて珍しいじゃん、大丈夫? なにかあった?】とメッセージアプリに連絡があった。

 これまで、忌引以外で会社を休んだことがなかったからだ。

 仕事でもプライベートでも湯島くんとはあんなふうになってしまって、もう職場にも住まいのマンションにも居場所はないのだと思ってしまった。

 住まいもだけれど、仕事も転職を考えなければいけないと今は思いはじめている。

 このまま同じ職場にいれば、湯島くんは気分を害すに違いないし、私がいることによって取れる契約も取れなくなったら申し訳ない。

 それに私だって、もうあんなふうに罵声を浴びせられたくはない。

 お付き合いしていた相手の影響で、仕事もプライベートも失うことになるなんて考えてもいなかった。

 すべてを失うことになるのは、湯島くんという存在に、今の私の生活がどっぷり浸かっているから。

 そう気づくと、なんだか情けなくて、惨めで自分が嫌になった。

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