恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 都内、新宿に本社を構える『松重(まつしげ)不動産株式会社』に大学卒業と共に勤めて五年 。

 彼、湯島(ゆしま)(じん)は同い年、二十八歳で新卒入社の同期だ。

 入社後、四年間総務部に在籍していた私──神田(かんだ)里穂子と、入社後すぐに営業一課に配属された湯島くんは、同期といえ四年間接点はなかった。

 入社して五年目の春、私が 営業部に異動に なってから関わりを持つようになった。

 同じ課で働くようになって半年が経った頃、課の飲み会の後一緒に帰る機会があり、そのときに湯島くんから気になっていたと告白をされた。

 それからお付き合いが始まり、もうすぐ半年。

 付き合いはじめて二カ月は順調だったものの、その円満だった関係は次第に変化していった。

 三カ月、四カ月、彼の私に対する態度は日に日に冷え、あたりもきつくなっていったのだ。

 プライベートでの連絡も付き合いたての頃よりも格段に減って遅くなり、デートの回数もなにかと理由をつけられ少なくなった。

 私のなにが悪くて彼をそうさせてしまっているのかわからないまま、その出来事は付き合って五カ月を迎えたときに起こった。

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