恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 少し前に温めを開始しておいた肉じゃがを盛りつけ、味噌汁も用意する。揚げ出し豆腐とごぼうサラダもカウンターに出し、順番に食卓に運んでいった。


「すごいな、和食か」


 ちょうどいいタイミングで筧さんが戻り、食事の支度がされている席の椅子を引く。

 腰を下ろすと、並べた食事の皿ひとつずつに視線を向けた。


「お好きですか? 和食。肉じゃがとか作ってしまったんですが……」

「好きだ」


 さらっと返ってきた言葉に勝手に心臓がどきりとして、心の中で『違う違う!』と自分にツッコミを入れる。

 これは、肉じゃがが好きという話! なにを反応しているの私の心臓は!


「そ、そうですか。それは、よかったです」


 動揺を隠しつつ平静を装う。

 とりあえず、和食は嫌いではなかったようでホッとする。

 好きなら、よかった……。


「普段から料理をしてたんだな。そうでもないとこれは用意できない」


 断言するような言い方をし、筧さんは私に顔を向けた。

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