恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました

　一緒に向かった重大な取引で、予想もしていなかった相手方の都合で取れるはずの契約が流れたのだ。

　状況から見て、こちら側に非はなかった取引だった。

　それでも、契約が取れなかったのは事実。

　営業一課で好成績を残し、若きエースとして期待されている湯島くんだからこそ任された仕事だった。

　この契約が取れれば出世も間違いなしだと、本人が意気込んでいたのも目の前で見ていた。

　だからこそ、私もできる限りのサポートをしたし、力になりたいと思っていた。プレゼンの資料作りを帰宅後に睡眠時間を削って作ったし、あまり得意ではない異業種交流の場にも積極的に参加もした。

　しかし、結果は誰もが思わぬ展開に……。

　湯島くんのショックは計り知れないものだっただろうけど、仕事上のパートナーとして、プライベートでは彼女として、明るい言葉をかけて励まそうと思っていた。

　でも、言葉を選んでいた私に、湯島くんから耳を疑うような言葉が投げかけられたのだ。