恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
考えてみたら、あんなに広いベッド。女性と眠ることもあるに違いない。そんな秘密めいた場所に、雇われの身である私が足を踏み入れるわけにはいかない。
今日のところは、リビングのソファーをお借りして仮眠を取ろうと思う。
ソファーといっても、本革の間違いなくいいソファー。
仮眠させてもらっていいのかと若干迷いながら、持ち出してきた荷物から花柄のバスタオルを取り出す。
それをソファーへ敷き、そろりと横になった。体には、今日羽織っていたトレンチコートをかける。
筧さんは、今日は帰ってこないのだろうか?
帰宅時間については、特に知らされなかった。
深夜に帰ってくるのか、今日はもう帰らないのか、なにもわからない。
大企業の社長という身分にある人だ。人脈も相当数あるだろうし、その数だけ付き合いだってあるだろう。
プライベートも、私なんかには想像もつかない華やかなものに違いない。
頭のすぐ横に、五時半にアラームをセットしたスマートフォンを置く。
明日は寝坊せずに起きて、朝食の準備からスタートする。
高い天井をぼうっと眺めているうちに微睡み、いつの間にか夢の世界へといざなわれた。