恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「くしゅんっ」
静寂に包まれたリビングに小さなくしゃみが響く。
もぞもぞと体を丸め寒そうにしているものの、目を覚ます様子はない。
「こんなところで寝たら、寒いに決まってるだろ」
どんな想いで、なにを考えて、ここで眠りについたのだろう?
これからのことを考えて、不安の中、目を閉じたのかもしれない。
そんなことを想像すると無性に切なさが込み上げてくる。
ソファーの横に膝をつき、横抱きで彼女の体を持ち上げる。
よく眠っているのか、運ばれているさなかも目を覚ますことはなく、眠ってもらう予定だった寝室へ無事運び入れることができた。