クールな王子様とストーカー
自分の体を見ていた私は、ばっ!と前を向く。



彼が……祐馬くんが笑って私の名前を呼んだ。


っ……!不意打ち反則だっ……!



そう思ってるうちもわずか、彼の顔は光に反射され見えなくなっていく。


あ……!



「待って……!!!」



 

「はぁっ……はぁ」




見慣れた天井。これは、毎朝見る。



「………やっぱり夢、なんだ……よね。」


名前を呼んだ声も、笑いかえた笑顔も全部幻なんだ。



伸ばした腕の手を見た。




「あれって私の願望だったのかな。」


手のひらには汗が滲み、お気に入りのパジャマもうっすら汗がつき
冷たくなっている。



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