目に視えない私と目が見えない彼



大河先輩の守護霊代行は波乱な幕開けとなったけど、すぐに忘れたようで、大河先輩が追求するタイプじゃなくて本当によかった。




「おはー」
「おいっす」
「大河、おはよ」



校内ですれ違うたびに挨拶される。
大河先輩は意外と友達多いのかも。

まだ、来衣先輩に嫌がらせした嫌な奴っていう認識が強いけど。

思い出すと怒りが込み上げてきたので、横にいる大河先輩に、キッと睨みをきかせた。


今のところ、大河先輩に危険ってないなあ、
私の出番もほとんどない。


教室では男友達と漫画の話やよくわからない話で盛り上がり「ガハハッ」と笑い合っている。男の子の会話は、正直、よくわからなくてちょっと苦手だ。



暇を持て余した私は、来衣先輩の病気のことを考えていた。


"網膜色素変性症"

医療知識のない私には、その病名を聞いても全く結び付かなかった。
どういう病気なんだろう・・・・・・。
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