目に視えない私と目が見えない彼
「この絵、コンテスト狙えますか?」
「ああ、絶対出したほうがいいぞ」
「そう、すか」
「ああ、この絵なら、大河!
初めての受賞も狙えるぞ?」
「・・・・・・俺が、受賞??」
「この絵だったら、いい線いくと思うぞ」
「そうっすね。出します。この絵」
最悪の展開になってしまった。
だめ、だめだよ!
大河先輩は、顧問の中尾先生に『出します』と言ってしまった。
・・・・・どうしたらいいんだろう。
あたふたしながら焦っていると、口を開いたのは大河先輩だった。