目に視えない私と目が見えない彼


「未蘭の声が感情豊かなのはもちろんだけど、未蘭の周りの光にも色がついてるんだよな」

「色?」

「退学するのをやめるって伝えたときは黄色。人間の感情を色で分類すると、黄色は喜び。
だから上部だけの言葉じゃなくて、本当に喜んでもらえたと思えたんだ」

「・・・今も色ついてたりする?」

「ちなみに、今は・・・・・・」

そう言って悪戯な笑みを浮かべた。その表情から、私の感情が読まれている気がして急に恥ずかしくなってきた。

「や、やっぱりいいです。も、もういいです。・・・・私の感情読まないでください」

「ははっ」

今の感情は何色だろう?

もう少し来衣先輩と一緒にいたい。
同じ空間にいられたら幸せ。

そんな心の中が読まれてしまうのではないかと、顔を隠すように手で覆った。

なんだか恥ずかしくなってきて、顔に熱が集中するのがわかった。

私の顔が見えてなくてよかった。
だって、顔だけでなく耳まで真っ赤に染まってるから、こんな顔見られたら私の感情がばれてしまうから。
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