目に視えない私と目が見えない彼
「いいじゃん!お世辞抜きに、いい絵だな」

「だろ?」

「それにしてもよく一人で描けたな」

「いや、一人じゃなくて…あれ?」

「どうした?」

「……いや…なんでもねえ」


危なかったあ!絶対に来衣先輩は私の話題をすると思って、見えない死角に移動しといてよかった。嫌な汗かいた。

来衣先輩に、感じ取られないように遠目の死角から2人を見守った。
完成された絵の前で笑顔を見せる2人に釣られて、私も笑顔になるのだった。

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