目に視えない私と目が見えない彼
事務所には、いつもより表情が固い楓さんが待っていた。
その表情に緊張感が全身を駆け巡る。ルール違反をしているのは事実なので、きちんと楓さんに説明しようと思った。
来衣先輩との関係を終わらせたくない。
どうか、友達でいられますように・・・・・。
こんな状況でも、そう願ってる自分がいた。
「なんで呼び出しされたのかは、わかっているわよね?」
「……はい」
心当たりはたくさんあったので、言い訳もできないと思った。