目に視えない私と目が見えない彼
第五章
四人目
空は一面に曇っていて、私の心を表すように、今にも雨が降り出しそうな空模様だった。
私は決めていた。もうこれ以上来衣先輩と関わるのはやめよう。
私から関係を断ち切ればいいだけの話。
来衣先輩を好きだと気付いてしまったこの気持ちは、冥土の土産に大切に持っていこう。
——————————————
本日担当する守護対象者
小林 紬 17歳 女性
桜ヶ丘高校二年生
——————————————
小林 紬さんは同じ二年生だけど、クラスも違うし、接点はない人だった。
この日の守護対象者が、来衣先輩と関りがなさそうで安心した。