目に視えない私と目が見えない彼

愛と嘘



守護対象者の小林さんはホームルームが終わると寄り道をせず帰宅した。自分の部屋でスマホをいじっている。

時計の針は17時45分、約束の時間が迫っていた。


行かないと決めたはずなのに、時計を何度も確認してしまう。生前に出会っていたら、なんの迷いもなく喜んで会いに行っていただろう。

たわいもない話を飽きるまでしたい。
生前ならば1歩踏み出せばすぐ叶えられたことも今の私には、叶えられない。

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