目に視えない私と目が見えない彼
指定された場所は、幽霊になってから初めて出会ったコンビニのすぐ横にある公園だった。


降り続ける雨で視界が悪い。いつもは公園で遊ぶ子供の笑い声が聞こえてくるが、今日は雨の音しか聞こえなかった。彼の姿を探すと、雨の中傘を指して立ち尽くす来衣先輩の姿が見えた。

彼の姿が視界に入ると同時に、心の底から愛おしさが込み上げてきた。

愛おしい。だめだとわかっていても好き。
自分の気持ちを再確認してしまった。

———いや、気付かないようにしていただけで、
この切なく想う気持ちはずっと前から恋だった。

この気持ちを認めてしまったら、もう戻れない。好きの感情が溢れてくる。

ただ、想うだけなら・・・・・許されますか?



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