目に視えない私と目が見えない彼
「ただ、人にバレないように気をつけて。基本的に幽霊と一緒で僕たちの姿は、人には視えないんだけど、僕らの声は人にも聞こえてしまうんだ。だから、任務の時は発語しないように気をつけて」

「声を出したらバレちゃうってこと?私の姿は視えてないから、誰もいないところから声が聞こえてきたらみんな心霊現象って怖がっちゃうよね、」

「そうなんだよ。過去にも声を出して存在がバレた子がいたんだけど、守護対象者が幽霊がいると思ったんだろうね。霊媒師を呼んできて、消されちゃった守護霊代行もいるんだ。まあ、近づきすぎなければ基本バレないから大丈夫」

「・・・・・・消された?」

「霊媒師に除霊されて消されたってこと」

「こ、怖すぎるよ」

「ははっ、大丈夫、大丈夫。今までに10回くらいしかないらしいから」

「10回もあるの?!」


柊は少しも気にする様子はなく、口を開けて笑顔を浮かべている。

私は平然と出来るわけもなく、自分も消されるのでは・・・・・・。という恐怖で身震いがした。
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