目に視えない私と目が見えない彼

「うちに何のようですか?」

「え、えっと」

彼女には私の姿が視えてるらしく、しっかりと目を見て話しかけてくる。幽霊の私を視て怖がったり怯えたりする様子はない。…なんて答えればいいのかわからなくて言葉に詰まる。

「・・・・・もしかして、来衣先輩の妹さん?」

「お兄ちゃんのストーカー?悪霊ですか?」

「違う!違う!なんていうか、来衣先輩を守るためにきたの」

うん、守護霊代行だから今言ったことは間違っていない。

「証拠は?」

「う、うん、守護霊代行っていってね、小さな危険から…あ、違う、来衣先輩は死亡予定者リストに入ってるんだった」

「死亡予定者リスト?」

ま、まずい!守護霊代行のことを人には話してはいけないのに言っちゃった。死亡予定者リストのことも言っちゃったし、完全にルール違反だ。
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