目に視えない私と目が見えない彼
薄ピンクのカーテン。ベッドやいたるところにぬいぐるみが置かれていて、やっぱり年相応の子供なんだと、どこかほっとした。悠長に喋る彼女が子供ということを忘れてしまいそうだったから。
「私の名前は杏子。単刀直入にいうと私は視える。お姉さんの姿も視えてるよ」
「…びっくり。楓さん…私の上司がいうには、私たちの姿は霊感の強い人には感じ取られることはあるけど、姿は視えないって言ってたから」
「……私は霊感が特別強いんだと思う。私だけじゃなくて、私の家系かな」
なるほど、これで来衣先輩にも私が視えてる理由はわかった。
頷いていると、杏子ちゃんの表情が曇ってきた。
「…私とお兄ちゃんの霊感が強い理由はね……」