目に視えない私と目が見えない彼
どうやって、私が視える来衣先輩の守護霊代行をしようか悩んでいたけれど、妹の杏子ちゃんのおかげで、不審がられずに近くにいれることになった。
…杏子ちゃんには幽霊ってバレちゃったけど大丈夫かな。
でも、今はそれよりも来衣先輩が死なないように考えるのが先だ。
杏子ちゃんと別れた私は、来衣先輩と二人で歩いている。
どちらも口を開くことなく気まずい無言が続く。
来衣先輩に確認しなくてはいけないことがある。
「来衣先輩……あの!……っ、死…」
「……し?」
だ、だめだ。死のうとしてますか?
なんて、直接的なことは聞けないよ。
「…し、小学生なのに、大人びてますね。杏子ちゃんは」
「ああ、昔からしっかりしてて。俺が病気になってからは、余計にな」
「そ、そうなんですね」
どうしよう、私はなにをすればいいのかわからない。
…なんで死にたいんですか?
…死なないでください!
なんて伝えれば、死亡予定者リストから消すことができるんだろう。そもそも、死因が自殺とは決まっていないし。この任務難しすぎるよ。