目に視えない私と目が見えない彼
「…お母さん!信じられない!なにしてんの?」
「未蘭さんにはこれがいいかなと思って」
杏子ちゃんは非難の声をお母さんに向けて、塩が盛られたお皿を私の前から遠ざけてくれた。
相変わらず笑顔を浮かべてはいるが、目の奥は笑っていないので怖い。私は恐怖で空笑いすることしかできなかった。
「・・・・・・カレー、うまっ」
三人の間には気まずい空気が流れ、目が見えない来衣先輩はこの事態を知らない。一人、黙々とカレーを食べていた。
異様な雰囲気に気まずい時間が流れる。
これからの2日間、不安しかない。