目に視えない私と目が見えない彼
任務を忘れて見入ってしまった。エンドロールが流れた後に、完全に楽しんだことに気付いた。罪悪感を感じて自己嫌悪に陥る。

上映が終わるとともに、繋がれた手も自然と離れた。手には来衣先輩のぬくもりが残っていて、なんだか寂しい気持ちも残る。

「面白かった〜」

「なんか懐かしい気持ちになった。少年の心を思い出した」


映画が終わって、来衣先輩のと杏子ちゃんの喜んで満足そうな顔を見れて、私の心も満ち足りていく。

こんなに楽しくて幸せなんて・・・・・・。
守護霊代行なのに映画を楽しむなんて、絶対に良くないことだよね。

罪悪感は消えず募るばかりだった。
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